低廉譲渡 親族間の不動産譲渡 贈与
友) 相続により兄弟5人共有で土地を持っているんだけど、今後また相続があったら共有者が増え続けるので俺1人に名義を変えたい。
益) 長男がタダで貰ったら、路線価で評価して贈与税がかかるよ。
友) えッ!!
兄弟はみんな「いらない」って言ってるんだよ。しかも、以前売ろうとして不動産屋に聞いたら、路線価よりも全然安かったよ。
益) 売買ならば贈与税はかからないよ。でも、売った人は譲渡所得が発生するので所得税の確定申告が必要だね。
友) そっか、じゃ、安い金額で売買しよう。
益) 親族間で安い金額で売買したら、時価との差額で安くした部分は贈与税の対象になっちゃうよ。
だから、適正な価額で売買契約しないとダメだよ。
友) マジか…
でもさー、「時価」って当事者間で「いくらで売りたい」と「いくらなら買う」がマッチしたところじゃん。親族だって、両者の合意がれば適正価額じゃないの?
益) 第三者との売買ならば、そうなんだけど親族間だと恣意的に金額を決める事が出来ちゃうから、低廉譲渡に対する贈与税の規定があるんだよね。
友) でも、兄弟間で正しい時価ってどうするの?
益) 路線価って時価の80%程度を目安に付けれれているので、路線価をもとにしてもイイし、不動産売買の広告等から近隣の売買実例を参考にするとイイよ。不動産鑑定士に鑑定してもらってもイイけど、費用がかかっちゃうし。今後、第三者に売買する予定ならば不動産屋さんに見積もってもらってもイイと思うよ。
友) ふ~ん
兄弟間で売買した場合、税務署が「低廉譲渡だ!」って指摘する時の「時価」は誰がどうやって算出するの?
益) ……
近隣の売買実例等から税務署が算出するんだけど、実際には近隣に売買実例が無い場合もあって難しいよね。実際には牽制球みたいな規定で、よっぽど安過ぎたり悪意ある金額じゃなければ「正確な金額をキチンと算出せねば」などと神経質にならなくても大丈夫だよ。